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June 25, 2004

控訴人意見陳述 劇症肝炎家族の叫び

 6月3日、仙台高等裁判所(地方裁判所と誤って記載していました。訂正します)で一つの裁判が結審しました。
 母が息子の劇症肝炎死を不審に思い、策定されてから20年来変わっていない診断基準に問題があるとして、損害賠償事件を起こしたものです。

 結審に当たってのお母さんの「控訴人意見陳述」が、この裁判を応援している療友から送られてきましたので、転載させていただきます。(病院名と医師個人名の一部をイニシャルに変えてあります)

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控訴人意見陳述書

 本日、6月3日は、偶然にも私の満55歳の誕生日です。
 私は55歳の今日まで生き長らえることができましたが、息子隼人の命はわずか21歳というあまりにも短いものでした。
 歯科大3年生で、将来に夢も希望もあったはずの息子の短かった人生を思うとき、私は人の命の重みを毎日考えさせられております。
 隼人が亡くなってもうすぐ6年になろうとしています。しかし、その6年という世の中のときの流れです。
 隼人を亡くしてからの私の心の時計は止まったままです。
 隼人の成長を楽しみに、たくさんの写真を撮り続け、増え続けていた「アルバム」は、21歳の大学3年生の夏休みを最後にもう1枚も増えることはありません。
 増えることのない「アルバム」を見るたびに、本当に無念で、今でも涙があふれます。
 「命の重み」と言葉で言葉で言うことは簡単です。しかし、隼人の命の重みは、私たちにとっては、そんな簡単な言葉で、決して言い表せるものではありません。
 隼人が誕生した昭和52年4月28日から平成10年9月18日に亡くなるまでの21年4ヶ月と20日、7320時間、私は、歯科開業医という仕事をしながら、全身全霊を傾けて、命がけで隼人を育てました。
 私が、もし、今までの人生の中で、他人に胸を張って誇れるものがあるとしたら、それは「子育て」です。
 隼人はそれだけ心血を注いで慈しみ育てた最愛の息子だったのです。
 その隼人は、平成10年8月24日、急性肝炎で岩手県立A病院に入院し、医者とその病院に命を委ねました。
 担当のY医師は、9月4日、「隼人君は回復しています。大丈夫です。私に任せて下さい。」と言いました。私はその言葉を直の信じて、隼人の1日もも早い退院を夢見ていました。
 それなのに、どうして、隼人は、そのわずか4日後の9月8日、岩手医大に転院しなければならないほどの重症になってしまったのでしょうか。
 そして「回復する」というY医師の言葉からわずか2週間後の9月18日に、命を失うことになったのでしょうか。
 隼人はただ運が悪かったということで済まされてしまうことになるのでしょうか。
 どんなに医学が進歩しても、どんなに優秀な医者でも、死んでしまった隼人を生き返らせることはできません。そう思うと、人の命を預かる病院や医者の責任がどんなに重いものであるわかるはずです。
 患者や家族は、患者の命に真攣に向き合ってくれる病院や医者を心から望んでいます。
 又、患者や家族の気持ちを本当に改み取ってくれる心優しい、技量の優れた医者を必死に求めています。
 バカが付くほどの真っ正直な息子が9月3日に、「僕ちっとも治っているような気がしないんだよ、お母さん。」と言いました。
 この言葉こそが、当時の隼人の真実の病状を表していたのです。
 今、自信を持ってそう断言できるのも私自身が隼人を産み、21年間命がけで育ててきた母親だからです。
 Y医師は、入院後ずっと黄色い顔をして、あんによく食べる子だったのに、ほとんど食事も出来なくて、食べ残しばかりしていた隼人に対して、9月1日以降、画像診断も、PT検査もしてくれませんでした。
 Y医師は、十分な検査もしないで「ちっとも治っているような気がしない」と言っていた隼人に対して、「回復しています。大丈夫です。私に任せて下さい。」とはっきり言ったのです。この時、もっとY医師が隼人と真剣に向き合ってくれて、少しでも隼人の深刻な病状に気付いていてくれていたなら、と残念でなりません。
 私は「僕ちっとも治っているような気がしないんだよ、お母さん。」と言った隼人の遺言とも言うべきこの言葉が真実であったということを証明しなければなりません。それが、残された母親としてできる、せめてものつとめと思っています。
 亡き隼人の裁判も早5年になろうとしています。
 私は、この裁判を通じて、隼人の言葉が真実であったことが明らかになることを信じています。
 回復などしていなかったのに、本人がそう訴えているにもかかわらず、回復していると安易な判断を下し、必要な検査や治療を施さず、ましてや、有益な情報すら与えなかった医者の責任が明確になることを願っております。
 そして、今後、隼人のような扱いをされて亡くなる「劇症肝炎患者」が1人でも少なくなることを切望しております。
 その時こそ、初めて若くして亡くなった隼人の命の重みの説明がつくような気がいたします。
 どうぞ裁判所におかれましては、命の重みと、それを受け持つ病院や医者の責任を十分にお考えいただき、本件について、公正な判断を下されますように心からお願い申しあげます。
 平成16年6月3日
                          小柳寿美子


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 また、劇症肝炎家族会などが3月6日に東京で開催された「劇症肝炎の診断と治療、肝炎の新しい治療法」勉強会の様子(写真)、日本肝臓病患者団体協議会と劇症肝炎家族会が3月に厚生労働省に提出しました。
 要望書や家族会からの呼びかけを掲載した日肝協の会報「肝臓のなかま」のファイルをご覧になることできます。

   肝臓のなかま 1頁
      〃     2頁
      〃     3頁
      〃     4頁

劇症肝炎勉強会の様子と講師の与芝教授

 写真 
 左 勉強会風景(文京区シビックセンターで)
 右 講師の与芝真彰教授(昭和大学藤が丘病院)

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Comments

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Posted by: Nike Running Shoes for Women | December 29, 2014 at 06:18 PM

Can not recall the precise numbers off the leading of my head, but most were heel strikers and there was not considerably transform between the sneakers.

Posted by: cheap jordan shoes | March 14, 2015 at 11:47 AM

Darby! Thank you!!

Posted by: chaussures louboutin | March 20, 2015 at 08:06 AM

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