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February 17, 2005

原告は「証拠」を求められるのに

 16日、大阪地裁で薬害肝炎訴訟の被告側による小林隆夫証人に対する主尋問(被告側代理人による証人調べ)が行われました。
 傍聴して、「ずるい」と思いました。
 今度の裁判で、フィブリノゲンを使われてC型肝炎に感染させられたと、国や企業に損害賠償を求めるためには、原告になろうとする方は、カルテや投薬証明などによる「証拠」が必要になります。

 しかし、小林証人は、ご自身がいつどのようにフィブリノゲンを使ったかは、記憶がなく、白い無色の液体を点滴されていたの見たことを覚えているという「あいまいな体験の記憶」で、「患者さんの命を救うためにはフィブリノゲンを投与する必要があった」と、証言で強調し、「有効性」を証明できるとしました。

 科学的な証拠も示さず、「フィブリノゲンの有効性」を証明しようとする国と製薬会社、いま広く国民に行っている厚生行政と製薬企業活動の一般理念からすると、正反対のことを裁判所の中で展開していることになります。

 この日の弁護士さんによる報告は、「薬害肝炎名古屋訴訟のブログ・大阪で小林隆夫医師に対する主尋問が行われました」で。

 小林証人の略歴は、1975年名古屋大学医学部卒業
   1994年 浜松医科大学 産婦人科学 助教授
   2003年 信州大学 保健学科小児、母性看護学講座 教授
  
   1995年 国際線溶血栓溶解学会
   2003年 国際血栓止血学会
   2004年 日本周産期・新生児学会
 
 証人調べのち、映画「肝硬変成因究明の軌跡」がプロジェクターによって上映されました。
 1978年製作。よくできていました。いろんな賞を受賞した映画だと言うことを実感しました。
 映画のナレーションは、これから(1978年以後)の肝硬変の治療研究で必要なことについて、「しょせんはウイルスとの闘いである」と結んでいます。当時から非A非B型肝炎ウイルスが、慢性肝炎から肝硬変へ進展させる原因であることを啓発する映画であること、慢性肝炎が2年から20年を経て肝硬変に進展する病気であることを強調された作品であることを、目の当たりにして先人たちの努力に敬服し、患者自身も肝炎対策の拡充のためにがんばらねばと元気を与えてくれた映画でした。

 この映画の上映の前に驚くべきことがありました。なんと被告側代理人が弁論を申し出ていて、弁論で裁判官に対して、この映画の「調べ方」について被告側の主張に従った見方をしてほしいと注文を付けたのです。
 裁判官は、被告側の弁論の前に、今求められていることはこの映画を「証拠として採用するかしないかの判断しかない。」「証拠調べの却下を求めるのですか」「それでもするのですか」と被告側代理人の「悪あがき」に釘を刺していました。被告側代理人は、「証拠調べの却下は求めない。上映に対する意見を述べたい」と。
 さすが裁判官だと心の中で拍手を送りました。

 個人の主観を前に押し出した傍聴記です。

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Comments

「裁判員」制度 になると
医療裁判にも かかわるのでしょうかね?

「混合診療」制度 になると
くすり治験は 言葉を替えれば
生体実験です、そのくすりが、
保険外にもなりえますね?  

Posted by: 点々 | February 17, 2005 at 09:10 PM

 点々さん、いつもご覧いただきありがとうございます。
 裁判員制度、裁判所のサイトに以下のような解説があります。
 ----------------
 裁判員制度は,国民から無作為に選ばれた裁判員が,殺人,傷害致死などの重大事件の刑事裁判で裁判官と一緒に裁判をするという制度です。
----------------
 重大な「刑事裁判」とありますので、今回のような損害賠償を求めた民事事件では、該当しないでしょうね。

 混合診療、一部抗がん剤などのような分野では、認められることになりました。
 保険適用になっていない(未承認)「薬」で、治験をすることを条件に保険適用までの期間、「患者」に使える(患者が服用する)ことができます。
 薬害で問題になっている「サリドマイド」も十分な管理の下で肝がん患者さんの治療に効果を上げることができるか、治験する施設が出てきました。
 http://www.igtc.jp/top.htm
 http://www.hadaclinic.com/

Posted by: sin | February 18, 2005 at 04:40 AM

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