ビタミンK2
患者会で療養相談を担当しています。自宅でも電話に応じていますと、2日に1通くらいの電話による相談を受けます。
25日に受けた相談は、「ビタミンK2」の肝がん発癌予防に関すること。
会報108号(今年2月に発行)で、昨年の塩見先生(大阪市立大学医学部核医学)の講演録を掲載しました。
この内容に、ビタミンK2を服用すれば、肝がんの発癌予防の効果があることのデータを紹介されました。
この講演録をお読みになった会員さんから、「近くのクリニックで骨粗鬆症もあるのでビタミンK2を処方してもらったが、その効能書き(添付文書)に『骨粗鬆症の治療薬』とは書いていない」と電話をいただき、その添付文書がファックスで送られてきました。
ビタミンK2は、治療薬として
①ビタミンK2は、血液の凝固系に関係しています。不足すると、
血液を固めるのに必要な凝血因子「プロトロンビン」という蛋白
質がつくれなくなります。ビタミンK2が不足して出血傾向が強
くなったときに治療に使われます。
1カプセルに5mg含有のものが使われます。(ケイツーカプセ
ルなど)
②ビタミンKの役目に、骨の形成があります。骨をつくる骨芽細胞
の働きを助け、骨を丈夫にします。
骨粗鬆症の治療目的には、ビタミンK2の高単位製剤(グラケ
ー)が使用されています。
ご相談をいただいた方からいただいたファックスでは、「ケイツー」が処方されていました。
そのことを電話で説明しても相談者には、なかなか理解していただけなくて困りました。
お顔を拝見しながら資料を示しながら説明することの大切さを痛感したできごとでした。
それにしても、相談者が利用されているクリニックのドクターのうかつさには困ったものです。
相談を受けていて、ここでも「止血機構」か!と、薬害肝炎訴訟の先日(4月20日)の小林証人の証言を思い浮かべました。
(注)「止血機構」の説明のサイトは、「脂質と血栓」のホームページから引用。
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