初の医師主導治験開始できず
肝がん再発予防薬「非環式レチノイド」の医師主導治験をめざしていた三浦捷一氏の試みが、メーカー側の協力が得られずにいます。
共同通信の配信記事 「初の医師治験、開始できず 肝がん再発予防薬」
記事の内容は -------共同通信 2005/06/28
医師が主体になって未承認薬の安全性、有効性を患者で評価する「医師主導治験」を、昨年6月に肝がん再発予防薬で認められた大阪市の開業医三浦捷一さん(66)が、薬を製薬会社から入手できず治験を開始できていないことが28日分かった。
治験は通常、製薬会社が医師の協力を得て行うが、採算面などで実施しないこともあり、医師主導治験制度が2003年に発足。三浦医師は初の届け出のケースとして注目されていた。
三浦医師は「当初は薬の提供が可能としていた日研化学(東京都)が拒否したのが原因」と説明。同社は「余分に費用がかかり提供できていない。双方の条件が整った段階で提供することになっている」としている。
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三浦捷一医師が報道機関に送付した文章は以下の通り。
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平成17年6月25日
第一号医師主導治験申請、その後の経過
癌治療薬早期認可を求める会代表
医師主導治験責任者 三浦 捷一
平成14年薬事法が改正され平成15年その施行細則が公布された。
しかしその実施にかんしては当初より各関係者から資金、煩雑な業務を考慮すれば実施は極めて困難との指摘があった。事実1年間1件の届けもなく私たちが平成16年6月24日機構に提出したものが第一号となった。
その直後より大勢の治験参加希望申込者があり薬剤提供者である日研化学と提供条件につき交渉を継続しているが現時点では日研化学は薬剤(非環式レチノイド)の提供を拒否している。
肝臓がん発生予防薬は既存の承認薬中にはなく肝癌死は依然年間3万人を超える。その経過中におこる頻回の再発に不安と苦悩の生活を送っている患者の数は何十万人も存在する。それらの患者にとってもっとも必要なのは“希望”であり、治験中で有効性の確証が未定とはいえ有効性想定のもとに一部の被治験患者に投与されている薬剤を自分も服用したいと願うのは当然のことである。
「医師主導の治験」は企業が採算上その他の理由で開発しない薬剤を医師が主導で行うものであり、我々は厚生労働省医薬局は改正薬事法制定を行った以上、その円滑な実施、運用に関して責任を持つべきではないかと考えている。 治験届けを提出後1年を経過したが現実にひとりの患者にも治験薬提供ができない状況に鑑み、その間の経過を治験参加を待ち望む数多くの患者に対する報告をかねて発表し関係者のご意見を拝聴したい。
別紙に、肝発がん再発予防薬「非環式レチノイド」経過の概略を記載する。(略)
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