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August 10, 2006

診療所と病院で C型肝炎治療の課題

 患者会の全国組織「日本肝臓病患者団体協議会(日肝協)」に、研究報告「優れた薬物療法のさらなる普及をめざして-C型肝炎ウイルス感染者におけるインターフェロン療法受療の現状と考察-」が届けられました。
 長尾由美子氏(久留米大学医学部消化器疾患情報講座助教授)・鈴木史雄氏(医薬産業政策研究所)らの共同研究です。
 この内容は、新聞でも取り上げられ報道されていました。
 朝日新聞(06/08/08付)「C型肝炎インターフェロン治療、医療機関で大きな違い」 
 薬事日報(06/08/11付)「説明不足がIFN療法拒否の要因‐製薬協などの調査で判明」

 報告書によれば、この調査の目的は、患者、担当医師双方にアンケート調査をしてインターフェロン治療の実態を明らかにし、この治療法がC型肝炎患者に十分に用いられない要因を明らかにして、さらなる普及に向けた医療のあり方を考察するとあります。
 調査の対象・方法は、ある地区の医療機関(肝臓専門医のいない診療所7施設、肝臓専門医が常勤する病院1施設)に通院するC型肝炎ウイルス感染患者それぞれのインターフェロン治療の受療状況について、患者本人及び担当医師に対してアンケート調査が行われました。254人の患者(男性/女性 103例/138例、不明13例)
 

 この報告書にざっと目を通してみて、診療所に通う患者は病院に比べて高齢者が多く、なおかつ肝臓病の病状が進んだ(肝硬変や肝がん)患者が多いことが目立っています。
 診療所
  慢性肝炎のみ                   52.9%
  慢性肝炎のみ以外(肝硬変や肝がんを含む) 46.4%
 病 院
  慢性肝炎のみ                   76.2%
  慢性肝炎のみ以外(肝硬変や肝がんを含む) 26.8%
です。

 このような患者を対象に医師が患者にインターフェロン治療を推奨している率は
 
 診療所
  慢性肝炎のみ                   54.7%
  慢性肝炎のみ以外(肝硬変や肝がんを含む) 31.0%
 病 院
  慢性肝炎のみ                   94.8%
  慢性肝炎のみ以外(肝硬変や肝がんを含む) 75.0%
です。

 また療養指導の面での調査では
 栄養指導実施の有無では
  診療所
   実施   11.8%
   非実施  82.4%
  病院 
   実施   70.3%
   非実施 28.7%
となっています。

 肝炎重症者が多く利用する診療所での病気の進行や肝発がんを抑制するインターフェロン治療や栄養指導が実施されていないことに、大きな改善を要することを感じました。

 

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Comments

久留米大学の長尾と申します。
このたびは,私どものリサーチペーパーをお読み頂き有り難うございました。深謝申し上げます。

本書では,C型肝炎ウイルス感染者におけるインターフェロン療法の適用有無等について,患者さんと医師における認識を分析致しました。本調査は,得られた結果をフィードバックすると同時に,地域における効果的な薬物療法の普及をめざすことを目的としております。本報告内容が,今後の医療の在り方を検討する一助となれば幸甚に存じます。

久留米大学医学部消化器疾患情報講座 長尾由実子

Posted by: 長尾由実子 | August 13, 2006 at 08:48 AM

 長尾先生、ブログへのコメントをありがとうございました。
 びっくりしました。アップしてそう時間を経ず、研究報告書の執筆者からコメントをいただけるブログのすごさを実感しました。
 高齢者や肝炎重症患者が利用しやすい診療所の技術レベルを上げて「診」「病」連携がスムースに行われ、肝炎患者へのよりよい医療の提供がなされるように願っています。
 今後とも、よろしくお願いいたします。佐田先生によろしくお伝えください。

Posted by: sin | August 13, 2006 at 10:25 AM

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» 説明不足がIFN療法拒否の要因‐製薬協などの調査で判明 [薬のニュースは薬事日報]
 慢性C型慢性肝炎の治療で、インターフェロン(IFN)療法を推奨されたのに断るケースは、診療所を受診している患者に多くみられる。日本製薬工業協会医薬産業政策研究所の鈴木史夫主任研究員と、久留米大学医学部・佐田通夫教授らの調査で分かった。  この調査は、IFN療法は高い評価を受ける一方で、受療率が必ずしも高くないことから、その治療実態を探り今後の課題を明らかにするため、患者と担当医にアンケートしたもの。肝臓専門医がいない診療所7施設(患者153人)と肝臓専門医が常勤する病院1施設(101人)... [Read More]

Tracked on August 22, 2006 at 02:33 PM

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